異動の内示を聞いてから、ずっと落ち着かない。
新しい部署に移って1か月。毎日ぐったりして、前の部署に戻りたいと思ってしまう。
異動がつらいのは、適応力がないからではありません。HSP・繊細さんは、人・場所・仕事の進め方が一度に変わる刺激を、人一倍たくさん受け取っているのです。
この記事では、異動でしんどくなりやすい理由と、打診されたときに確かめること、異動の前後にできる工夫を紹介します。
繊細さんが、異動でしんどくなりやすい理由
変わるものが、一度に多すぎる
席の場所、周りの音、一緒に働く人、仕事の手順、暗黙のルール。異動では、これらがすべて同時に変わります。ひとつひとつの変化に気づける人ほど、受け取る情報の量が多くなり、疲れやすくなります。
築いてきた関係が、いったんリセットされる
前の部署で、時間をかけて「この人には話しやすい」という関係をつくってきた人ほど、ゼロからのやり直しに大きなエネルギーを使います。
新しい職場の「空気」を読み続けてしまう
誰と誰の仲がいいか、どんな言い方が好まれるか。慣れるまでは、周りの様子をずっと観察しているため、仕事以外のところで消耗します。
「できない」と思われたくない
前の部署で頼られていた人ほど、新しい部署でうまくできない自分に落ち込みやすくなります。
異動を打診されたら、確かめること
内示の前に打診や面談がある場合は、次の点を聞いておくと、気持ちの準備がしやすくなります。
- ✦異動の理由:何を期待されているのか
- ✦新しい部署の仕事内容:電話や窓口対応の量、外出の頻度、チームの人数など
- ✦いつから、どのくらいの期間か:期間の目安があるか
- ✦引き継ぎの期間:前の仕事をどこまで終えてから移るのか
不安なことは、「〇〇が苦手なので、慣れるまで時間をいただけると助かります」のように、具体的に伝えておくと配慮してもらいやすくなります。
異動は断れる?
多くの会社では、就業規則などで、会社が配置転換を命じられることになっています。そのため、業務上の必要がある異動を、気持ちの理由だけで断るのは難しいことが多いのが実情です。
ただし、子育てや家族の介護をしていて、勤務地が変わると続けられなくなる場合は、会社はその状況に配慮しなければならないと、育児・介護休業法で定められています。事情がある場合は、早めに上司や人事に伝えてください。
心や体の不調で、いまの状態での異動が難しい場合は、医療機関に相談したうえで、会社に伝えることも考えてください。
異動の前にできること
- ✦前の部署の仕事を、メモにまとめておく:引き継ぎのためだけでなく、「自分はこれだけできていた」という記録にもなります
- ✦新しい部署のことを、少しだけ調べておく:座席の配置や、1日の流れなど。知っているだけで、初日の緊張が和らぎます
- ✦異動直後の予定を詰めすぎない:最初の1〜2週間は、休日の予定を軽くしておきます
異動した直後の過ごし方
最初の3か月は、「覚えること」が仕事
新しい部署で最初からうまくできる人はいません。最初の3か月は、成果より「覚えること」が仕事だと決めてしまうと、気持ちが少し楽になります。
質問は、まとめて聞く
わからないことが出るたびに声をかけるのが負担なら、メモにためて、1日1回まとめて聞く時間をもらいます。「質問をまとめて伺ってもいいですか」と最初に伝えておくと、気を使いすぎずに済みます。
疲れる場面を、書き出しておく
どんな場面で疲れたかをメモしておくと、慣れの問題なのか、部署の環境の問題なのかが見えてきます。
同時にいくつも頼まれて頭が真っ白になりやすい人は、マルチタスクが苦手なHSPの仕事術も参考にしてください。
公務員の場合
公務員は、数年ごとの定期異動があるのが一般的です。同じ組織の中でも、窓口の多い部署と、内部の事務が中心の部署では、毎日の刺激の量がまったく違います。部署の違いと選び方は、HSPに公務員は向いてる?にまとめています。
3か月たっても、しんどさが変わらないときは
慣れる時間をとっても、しんどさが変わらない、むしろ強くなっている場合は、部署の環境が合っていないのかもしれません。
- ✦上司に、業務の調整や、配置の希望を相談する
- ✦社内の異動の希望を出せる制度があるか確かめる
- ✦働き方そのものを見直す
転職をするかどうかは、急いで決めなくて大丈夫です。仕事が続かないと悩んでいる人は、HSPで仕事が続かない人へも読んでみてください。
眠れない、食べられない、朝起き上がれないといった状態が続く場合は、働き方を考えるより先に、休むことと医療機関への相談を優先してください。
まとめ
- ✦異動がつらいのは、人・場所・手順が一度に変わる刺激を、たくさん受け取っているからです
- ✦打診されたら、理由・仕事内容・期間・引き継ぎを確かめ、不安なことは具体的に伝えます
- ✦異動の直後は、最初の3か月を「覚える期間」と決め、質問はまとめて聞きます
- ✦3か月たっても変わらないときは、環境が合っていないサインかもしれません
自分に合う職場の条件は、適職診断で気質の傾向から確かめられます。働き方を一人で整理するのが難しいときは、キャリア相談で文字だけで相談できます。
よくある質問
Q 異動を断ることはできますか?
多くの会社では就業規則などで配置転換を命じられることになっており、業務上の必要がある異動を気持ちの理由だけで断るのは難しいことが多いのが実情です。子育てや介護で勤務地が変わると続けられない場合は、会社に配慮を求められます。早めに上司や人事に伝えてください。
Q 異動してから毎日ぐったりしています。慣れるものですか?
人・場所・手順が一度に変わるため、最初の数か月は疲れやすいのが自然です。最初の3か月は「覚える期間」と決め、疲れる場面を書き出しておくと、慣れの問題か環境の問題かが見えてきます。
Q 3か月たっても、しんどさが変わりません。
部署の環境が合っていないのかもしれません。上司に業務の調整を相談する、社内の異動希望の制度を確かめるなど、できることから試してください。心身の不調が続く場合は、医療機関への相談を優先してください。
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