「今日こそ言おう」と思って出社したのに、上司の顔を見たら言えなかった。そんな日が何日も続いていませんか。
相手の気持ちを先回りして考えやすいHSPの人にとって、退職を切り出すのはとても勇気のいることです。この記事では、言い出せない理由をほどきながら、伝えるタイミングと例文、引き止められたときの答え方を紹介します。
退職を言い出せないのは、あなたが弱いからではない
言い出せない背景には、次のような気持ちがあることが多いです。
- ✦上司やチームに迷惑をかけると思ってしまう
- ✦がっかりされる顔や、気まずい空気を想像してしまう
- ✦理由を聞かれたとき、うまく説明できる自信がない
- ✦引き止められたら、断りきれない気がする
どれも、周りをよく見て、人の気持ちを大切にしてきたからこそ出てくる気持ちです。ただ、退職は働く人に認められた権利です。あなたが辞めることで生じる調整は、会社が引き受ける仕事でもあります。
伝える前に確認しておきたいこと
就業規則の「退職の申し出」の時期
多くの会社では、就業規則に「退職の○か月前までに申し出る」といった決まりがあります。まずはこれを確認しましょう。法律上は、期間の定めのない雇用(いわゆる正社員など)であれば、退職を申し出てから2週間で雇用契約が終わるとされています(民法627条)。ただ、引き継ぎを考えると、就業規則に沿って伝えるほうが円満に進みやすいです。契約社員など期間の定めがある場合はルールが異なるため、契約書を確認してください。
最終出社日と、有給休暇の残り
いつまで働くか、残っている有給休暇をどう使うかを、先に自分の中で決めておきます。希望が決まっていると、話し合いで迷わずにすみます。
伝えるタイミングと場所
- ✦相手:まずは直属の上司に伝えます。同僚に先に話すと、噂で伝わってしまうことがあります。
- ✦タイミング:繁忙期や、上司が急いでいる時間帯は避けます。朝のうちに「少しお時間をいただけますか」と声をかけ、時間を取ってもらうのがおすすめです。
- ✦場所:会議室など、他の人に聞かれない場所を選びます。
対面で切り出すのがどうしても難しい場合は、先にメールやチャットで「ご相談したいことがあるので、お時間をいただけますか」と送っておくだけでも、気持ちがかなり楽になります。
そのまま使える、伝え方の例文
切り出すとき
「お忙しいところすみません。私事で恐縮ですが、〇月末で退職させていただきたく、ご相談のお時間をいただきました。」
「辞めようか迷っている」ではなく「退職させていただきたい」と、決めたこととして伝えるのがポイントです。迷っているように聞こえると、説得の余地があると受け取られやすくなります。
理由を聞かれたとき
理由は、前向きで短いもので十分です。職場への不満を細かく話す必要はありません。
「別の環境で、自分に合った働き方を考えたいと思い、決めました。」
「体調を整えながら働ける環境を考えたいと思っています。」
引き止められたときの答え方
引き止めは、よくあることです。あらかじめ答えを決めておくと、その場で揺れにくくなります。
「もう少し頑張ってみないか」
「ありがとうございます。考えたうえで決めたことなので、気持ちは変わりません。」
「後任が決まるまで待ってほしい」
「引き継ぎはしっかり行います。最終出社日は〇月〇日でお願いできればと思います。」
「条件を見直すから」
「お気持ちはありがたいのですが、条件ではなく、働き方そのものを見直したいと考えています。」
答えは短く、同じことを繰り返して構いません。感謝は伝えつつ、結論は変えない。これだけで十分です。
どうしても自分で言えないとき
心身の不調で出社がつらい、上司と話すこと自体が難しいといった場合は、無理に一人で抱えないでください。
- ✦人事部や、信頼できる別の上司に相談する
- ✦眠れない・食べられないなどの不調が続く場合は、医療機関に相談する
- ✦退職代行サービスを検討する(運営元によって、会社との交渉までできるかどうかが異なるため、内容をよく確認してください)
退職を伝えたあとの働き方に不安があるときは、次の職場選びを先に考えておくと気持ちが落ち着きます。自分に合う職場の条件は適職診断で、転職の進め方はHSPが転職を成功させるための自己分析と職場選びで整理できます。話を聞いてほしいときは、仕事の相談も受け付けています。
よくある質問
Q 退職は何日前までに伝えればいいですか?
まずは就業規則を確認してください。「1か月前まで」などの決まりがある会社が多いです。法律上、期間の定めのない雇用であれば申し出から2週間で契約が終わるとされていますが、引き継ぎを考えると、就業規則に沿って伝えるほうが円満に進みやすくなります。
Q 退職理由は本当のことを言わないといけませんか?
細かく話す必要はありません。「別の環境で働き方を考えたい」など、前向きで短い理由で十分です。職場への不満を伝えても状況が変わることは少なく、話し合いが長引く原因にもなります。
Q メールで退職を伝えてもいいですか?
直属の上司に対面(またはオンライン)で伝えるのが一般的ですが、切り出すのが難しい場合は、先にメールやチャットで「ご相談したいことがある」と時間をもらうだけでも楽になります。話すこと自体が難しい事情があるときは、人事部への相談も検討してください。
Q 引き止められて、断りきれるか不安です。
「考えたうえで決めたことなので、気持ちは変わりません」など、答えを一つ決めておき、同じ言葉を繰り返すのがおすすめです。感謝は伝えつつ、結論は変えない。それで十分です。
Q 次の仕事が決まっていなくても、退職していいですか?
可能ですが、収入が途切れる期間の生活費や、次の仕事探しの見通しを先に考えておくと安心です。心身の不調で休むことが優先な場合は、医療機関や公的な相談窓口にも相談してください。
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